ローンが残っている車、名義変更することは可能？名義変更が必要になるケースについて解説

ローンが残っている車でも事情により名義変更が必要となる場合があると思いますが、問題なく名義変更は可能なのでしょうか。

この記事では、ローンが残っている車の名義変更の方法とローンが残っている場合でも名義変更が必要なケースについて解説していきます。

是非最後までご覧ください。

ローンが残っているクルマ、名義変更はできる？

ローンを組んでいる場合、車検証を見ると、所有者の欄がローン会社やディーラーの名前になっていると思います。

これは、ローンを組む代わりにローン会社が車を返済の担保としているからです。

これを所有権留保と言い、車の持ち主とは別に車の所有権がある状態になります。

こうした場合はローンを全て払い終わるまで、勝手に売却、譲渡、廃車ができない決まりになっています。

よって、ローンが残っている場合、所有者の名義変更はできないという事になります。

また、使用者のみ変更する使用者変更というものがありますので、これについては後ほど説明させていただきます。

「所有者」と「使用者」の違い

車検証には所有者と使用者の欄がありますが、「使用者」は車を管理する責任のある人の事を言い、交通事故や違反があった場合は使用者に連絡がいくようになっています。

また、使用者に車を自由に売却したりする権利はありません。

「所有者」は、車の所有権を持っている人や会社の事になります。

現金で購入した場合は、自分の名義になりますが、ローンを利用して購入した場合はローン会社が所有者となります。

ローンを完済すれば名義変更は可能

車検証の所有者がローン会社になっている場合は、ローンの支払いが完了しないかぎりは名義変更をすることができません。

支払いが完了すると、完済証明書が届きますのでここでようやく名義変更が可能になります。

ローンが残っているクルマの名義変更が必要になるケース

ローンが残っている途中で名義変更が必要となるのは、具体的にどのようなケースなのでしょうか。

クルマが被災し乗ることができなくなってしまったケース

近年の異常気象により、台風による洪水や集中豪雨による浸水などで車の受ける被害も増えています。

水没してしまった場合、廃車にするしかないケースがありますのでローンが残っている途中でも名義変更が必要となってきます。

自然災害ではありますが、こういった場合でもローンの完済が必要ですので保険金や貯金などを支払いに充て、所有権留保を解除しなければいけません。

所有者が亡くなってしまったケース

所有者が亡くなってしまった場合、その車は財産と見なされ法定相続人によって次の所有者が決定します。

ですが、この場合においても基本的にはローンの支払いが完了していないと名義変更をする事ができません。

ローンが残っているクルマの名義変更の方法

所有者の名義は変更できないが、使用者は変更できる

ローンが残っている場合、所有者の変更はできませんが使用者の変更については手続きが可能な場合があります。

このように使用者のみ変更する事を「使用者変更」と言います。

ローン会社によっては、完済しないと使用者変更できない場合もあるので事前に確認をしておきましょう。

また、もし使用者変更を怠った場合、事故時の損害賠償金や保険金の支払いなどが旧使用者に請求されてしまう事になってしまいます。

トラブルにつながってしまいますので、車を第三者に譲った場合は速やかに使用者変更するようにしましょう。

続いて、自分で使用者変更する場合の手続きについて説明させていただきます。

使用者の名義変更に必要な書類

使用者の名義変更には、以下の書類が必要となります。

・申請書（第1号様式）
・車検証
・手数料納付書（自動車検査登録印紙を貼付）
・自動車税申告書
・委任状（使用者の認印を押印）
・新使用者の住所がわかる書面（発行後3か月以内の住民票または印鑑証明書）
・新使用者の車庫証明書（発行後1か月以内のもの）
・認印

この他、変更手数料として350円必要です。

また、自動車税申告の際に、未納がある場合は支払いを行ってください。

使用者の名義変更の手続き

書類が準備できたら陸運局で登録手続きを行います。

陸運局は地域ごとに管轄している場所が異なりますので、該当する陸運局で手続きが必要です。

管轄の陸運局は車庫証明に記載されているので確認してみましょう。

手続きの流れは、登録申請、税金申告、ナンバープレート交付となります。

車検証上の使用者を変更できたら、自賠責保険の使用者変更も行っておきましょう。

自賠責保険の使用者を変更しないまま事故を起こすと、被害者に対して保険金を支払う際に手続きがかなり面倒になってしまいます。

まとめ

ローンが残っている車でも事情により名義変更が必要となる場合があるかと思います。

所有権留保がついている場合は、売却、譲渡、廃車ができませんのでローンを完済して所有者の名義変更を行う必要があります。

使用者変更を行う際には、ローン会社によってはできない場合もあるので事前に確認が必要です。

以上、皆様の参考になりましたら幸いです。